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お水の話

毎日使うものと言えば水ですが、無色透明の水は、一見するとどれも同じように感じます。しかし水と言ってもいろいろな種類があるのをご存じでしょうか?

原水の採水地や硬度、ろ過などの処理方法によっていろいろな種類に分類できます。

      

1.水の種類

1)水道水

ダムにたまった雨や雪を原料としており、ろ過をした後に塩素消毒をする必要があります。厚生労働省が定めた水質基準を満たさなければなりません。

日本の水道水の安全性は高いが、飲料水として利用する場合は、浄水器を取り付けるといった工夫を取り入れると安心です。大きなメリットとしてコスパの良さがあげられます。

 

2)ミネラルウォーター

マグネシウムやカルシウムなどのミネラル分を含んでいるのが特徴です。地層などから染み出したミネラル分が含まれている天然水や、ミネラル分を調整しているタイプなど、複数の種類があります。

 

3)炭酸水

炭酸ガス二酸化炭素)を含んでいる水のこと。水に圧力をかけて二酸化炭素を溶かし込んで製造したタイプ(人工炭酸水)と、地層から噴出する炭酸ガスを含んだミネラルウォータータイプ(天然炭酸水)の2種類があります。便秘解消やダイエットへの効果が期待できると、健康・美容意識の高い人たちからも注目をされています。

 

4)アルカリイオン水

水を整水器で電気分解したときにマイナス極に触れた水が水素になることでアルカリ性に変化した水です。まろやかな口当たりが特徴で、味を楽しめる飲み水のひとつです。水分補給や料理などに活用できます。スーパーなどでペットボトルで販売されています。胃腸症状の改善に緩やかな効果が期待できると報告されています。

 

5)RO水

RO膜という特殊なフィルターを利用してろ過をすることで、不純物や有害物質、ミネラル分をすべて除去した純粋の1種です。不純物がないため安全性が高いが、ミネラル分も除去しているので、飲用すると味が良くないという欠点があります。コスト面や環境面でも優れています。

 

6)精製水

水道水を蒸留することで、不純物や塩素、ミネラル分をすべて除去した純水の1種にあたります。飲用するものではなく、化粧水やコンタクトの洗浄液として利用することが一般的です。

 

7)海洋深層水

太陽の光が届かない水深200m以上にある海水のこと。細菌類や有機物を含まない上に、年間を通じて水質の変化がないことが特徴です。硬度が高いものには、豊富なミネラル分(マグネシウムやカルシウムなど)が含まれています。ただし市販されているものは脱塩処理をしているためミネラル分を調整していることが一般的です。健康面でも良い効果が期待できます。

2.硬水と軟水について

硬度によって「硬水」と「軟水」に分類されています。種類によって味が異なるのも、この分類によるものです。

 

1)硬水

水1lあたりのカルシウムやマグネシウムの含有量でWHO(世界保健機関)が定める基準で硬度120mg以上となっています。日本では100mg以上となっています。

飲用した際に、口当たりが重く苦みを感じます。人によっては飲みにくさを感じると思います。

ヨーロッパ圏は硬水が多いのが特徴です。

 

カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれているため、食事だけでは不足しがちなミネラルを水分とともに摂取できる点は大きなメリットです。カルシウムやマグネシウムは血液をサラサラにする効果があると言われており、動脈硬化予防にも有効です。(1日コップ2~4杯程度の摂取が推奨)

軟水よりもマグネシウムが多く含まれているため、摂取過多による腸への刺激がデメリットとしてあげられます。マグネシウムは水分を集めて便を柔らかくする特徴があり、飲み過ぎると腸への刺激が強くなり、お腹が緩くなってしまうことがあります。

 

2)軟水

水1lあたりのカルシウムやマグネシウムの含有量でWHOが定める基準で硬度120mg未満となっています。日本では100mg未満となっています。

口当たりが軽く、飲みやすいのが特徴です。硬水のように独特な匂いやくせがないため、人を選びません。

日本国内はほぼ軟水であると言ってもいいでしょう。

 

肌や髪にも優しいので、洗顔や先発の際に使用するのにも適しています。石鹸や洗剤の泡立ちが良いというメリットがあります。ミネラル含有量が少ないため、赤ちゃんからでも飲むことができます。普段の水分補給として最適と言うメリットがあります。

ミネラルを多くは補給できないというデメリットがあります。それ以外にデメリットとなることはないでしょう。

3.料理に適している水は?

水の違いを理解して毎日のお料理に使えば、料理や飲み物の味がぐっとおいしくなります。美味しくする水の使い分けについて説明をします。

 

1)軟水は和食と相性が良い

柔らかい飲み心地で口当たりも良く、くせが少ないため、出汁をとる和食に最も向いているのが軟水です。

野菜を茹でたり、煮物やスープを作るのに適しています。素材そのものの味を活かしてくれます。ラーメンの製麺にも軟水が使われています。硬水を使うと茹で上がりの食感が悪くなり、場合によっては変色することがあります。ごはんやお味噌汁にもよく合います。

緑茶は軟水で出したほうが、繊細な味が楽しめます。日本酒造りは水が大切であり、名水があるところには必ず銘酒があると言われています。口当たりがまろやかなお酒ができます。

 

2)硬水は西洋料理と相性が良い

ヨーロッパ圏での水は硬水が多いため、洋食に向いています。

カレーやシチューといったお肉を煮込む料理にはとても相性が良く、硬水に含まれているカルシウムがお肉のアクや臭みを取り去ってくれます。

ピラフやパエリア、炒飯などのパラパラした仕上がりが必要な料理にはとてもよく合います。パスタはデンプンとカルシウムが結合して麺自体にコシが出るため、パスタ料理も硬水がよく合います。パスタを茹でるときに塩を入れるのもミネラル分を足して硬水のように変える目的があります。最初から硬水でゆでると一味違うかもしれませんね。

 

3)飲み物との相性について

珈琲は一般的には軟水と相性が良いです。ミネラル分が少ないため味への影響が少なく、コーヒー本来の風味を楽しめます。ただ硬水に含まれるカルシウムとマグネシウムは珈琲の酸味や苦みを和らげる効果があると言われていますので、お好みで使い分けてみるといいかもしれません。焙煎が比較的浅い珈琲は軟水を使い、深い珈琲には硬水を使うと良いかもしれません。

 

日本茶は軟水が適しています。が、あまり硬度が低すぎると苦みや渋みが強くなり、香りが出にくいようです。硬度が高いと緑茶のもつ抗菌作用が強まると言う実験結果もあるようです。

 

紅茶は軟水・硬水どちらとも合います。紅茶本来の味わいをより楽しめるのは軟水です。茶葉の味や香りがダイレクトに反映されるそうです。質の悪い茶葉を使えば苦みや渋みが強くなり、上質な茶葉と軟水を合わせれば美味しい紅茶が味わえます。飲みやすさを重視するなら硬水を使用すると苦みや渋みが抑えられるそうです。

 

ウイスキーの割り水には軟水が適していると言われています。ウイスキーの味や香りを引き立たせるには、クセの少ない軟水の使用がお薦めです。さらに言うと、ウイスキーの仕込みに使用している水の硬度を調べ、それに近い硬度の水を割り水に使うと、味や風味を引き出すことができます。

 

今回は水について詳しく紹介してみました。水と言ってもいろいろな種類があり、とても勉強になりました。結局のところはどちらもそれぞれメリット・デメリットがあるのでそれを考慮しながら使用していくことがお薦めです。